堤防・サーフと並び、ショアジギングにおける三大フィールドの一つである「磯」。磯から行うショアジギングのことを「ロックショア」と呼ばれ、大型青物を中心に真鯛や根魚など、なんでも狙える人気の高いフィールドです。


本記事では、ロックショアにおける重要なポイントや、オススメのルアー、釣り方など、詳しく解説していきたいと思います。

ロックショアジギングの基本

フィールドの特徴

ロックショアジギングとは、磯(ロックショア)からルアーを遠投して青物や根魚を狙う、近年急速に人気を集めている釣りスタイルです。磯は堤防やサーフと比べてエントリーの難易度は高いですが、高い難易度と引き換えに、ダイナミックなファイトや大物との出会いが魅力です。

また、青物はもちろん、根魚や真鯛など狙える魚が豊富なのもロックショアジギングの魅力です。

狙える魚

ロックフィッシュ (カサゴ・キジハタ・アカハタ・オオモンハタ など)

地磯からねらえる代表的な魚種は、なんといってもロックフィッシュ(根魚)です。根の荒い海底に潜み、甲殻類や小魚を捕食しています。なかには中層あたりを回遊する、遊泳力の高い魚もいます。


高級魚であるキジハタや、遊泳力のあるオオモンハタ、美しい魚体のアカハタなど、磯ではさまざまなロックフィッシュが釣り人を楽しませてくれます。

青物 (ブリ・ヒラマサ・カンパチ・サバ・カツオ など)

地磯からねらえる青物は引きも強烈! ブリはもちろん、ヒラマサカンパチカツオなどもねらえます。磯はベイトも豊富で、それを求めて青物が回遊してきます。魚が回遊しやすい潮通しがよく水深のある地磯では、青物のヒット率が高くなります。

マダイ

地磯で釣れる魚はロックフィッシュや青物だけではありません。なんとショアジギングでマダイもねらえてしまいます。磯場のマダイは主に甲殻類を捕食しているため、ボトム付近でのバイトが多い傾向にあります。

イサキ

夏が旬の高級魚・イサキも、磯からならショアジギングでねらうことができます。とくに6月~9月ごろはイサキの産卵期であり、大型がねらえます。浅い岩礁帯に生息しサイズが大きくなるほど美味しくなります。

地磯攻略のポイントは「水深」と「地形変化」

地磯ならどこでも釣れそうな気配がムンムンですが、ライトショアジギングでねらうにはある程度「条件」を満たした地磯選びが重要です。では、どんな「条件」が必要なのでしょうか?

水深の深さがカギ

まず重要となるのが「水深」です。ある程度の深さがなければ、青物の回遊も少なくなります。
これは、深場のほうが潮流が安定しており、漁礁や瀬などのベイトがつきやすい環境が整っているからだと考えられます。青物以外に根魚やマダイ、イサキなどをねらう際にも同じことがいえます。


もちろん浅場でも青物が活発にベイトを追い回すことがありますが、これは朝マヅメ・夕マヅメや、潮の動き出しなどの限られた時間にしか発生しません。深場ならマヅメ時のチャンスタイム以外でも釣果が期待でき、言い換えれば、水深のある地磯なら日中でもねらうことができるのです。


最低でも水深は5m以上欲しいところ。場所にもよりますが、少し投げただけで水深30mの地磯なども豊富に存在します。

ブレイクラインやカケアガリが超重要!

これは地磯以外でもいえることですが、海中の「地形変化」はショアジギングにおいて超重要なファクターだといえます。
海の中は場所によってさまざまで、平たんな砂地から、起伏が激しく障害物の多いポイントまで多岐に渡ります。数ある地形から釣り場をチョイスする際、ブレイクラインカケアガリと呼ばれる「地形変化」があるのとないのとでは、釣果に雲泥の差が生まれます。

これはどういうことかというと、ブレイクラインやカケアガリはいわゆる深場と浅場の境界線で、青物は急に深くなったり浅くなったりする水深の境目を回遊するからです。
「地形変化」があるポイントは青物が回遊するルート。魚と出会う確率を上げるために、意識しておきたいポイントです。

ロックショアジギングはかなりハード!ショアジギング専用タックルで挑もう!

磯は根が荒く、水深が深かったり流れが強いなど、堤防などのフィールドに比べてかなりハードです。
さらに掛かる魚も大型である可能性が高いので、タックルは強靭なものを用意しましょう。
また、ロックショアで使用するタックルは、エリアや狙う魚種、使用するルアーで大きく変わります。ここではメタルジグを使用し、ブリクラスまでを想定したタックルを紹介します。

ロッドルアー表記40~100g程度のショアジギング専用ロッド
リールスピニングリール6000番~10000番 
ラインPE2号~3号
リーダー35lb~40lb
メタルジグ40g~100g
ロッド

ロッドは大物が掛かっても負けないパワーを持つショアジギング専用ロッドをオススメします。水深や潮流にもよりますが、磯では100gを超えるメタルジグを投げる必要がある場合もあります。ブリクラスが掛かっても、根に潜られないように強引にファイトができるような強靭なロッドを準備しましょう。

リール

2号~3号程度のPEライン200m巻けるラインキャパシティを持ったリールをオススメします。また、当然大型の魚が掛かった際はリールへの負荷は大きくなるので、剛性に優れた6000番~8000番のサイズなら安心です。

ライン

PEラインの2号~3号あれば、メタルジグの飛距離を損なうことなく強度も十分確保できます。

リーダー

磯は根が荒いことがほとんどなので、ラインブレイク対策としてフロロカーボン35lb~40lbをオススメします。

メタルジグ

磯は水深のあるエリアが多く潮の流れも複雑です。軽すぎると底が取れないこともあるため、そのエリアの水深にもよりますが、40g~100gと幅広く準備する方が安心です。

地磯では安全性を考慮した専用装備が必要

ロックショアジギングの必須アイテム

フローティングベスト(ゲームベスト)

磯場では膨張式のライフジャケットではなく、フローティングベスト(ゲームベスト)を着用しましょう。膨張式ライフジャケット(腰巻き)は転倒時などにおいて破れやすく、磯場での着用は推奨されていません。磯場は足場が不安定で、落水や高波にさらされる危険が常にあります。フローティングベストは落水時に体を浮かせ、救助までの時間を稼ぐ命綱です。磯釣りにはフローティングベストの着用が欠かせません。

磯靴

磯では磯専用のシューズも必須となります。磯は滑りやすく、平坦な場所がほぼ無いに等しいため、必ず用意するようにしましょう。磯靴にも種類があり、ラバーソールやフェルトソールなど、それぞれ状況に応じたタイプを選びましょう。

ロックショアジギングに行ってみよう!

ロックショアジギングでは、磯という大自然の中で思いっきりショアジギングを楽しむことができます。釣れる魚の種類も多く、大型魚とのパワフルなファイトが楽しめます。しかしその反面、危険も多く、一歩間違えば命の危険にさらされることも少なくありません。ロックショアジギングでは安全第一が最優先です。皆さんもぜひこの記事を読んで、安全に気を付けながらロックショアジギングに挑戦してみてください。